最恐ドクターの手懐けかた
「大至急搬送してください」
そう言って受話器を切った遠藤先生の顔は、いつもの暴君のままだった。
その表情にビビるはずなのに、今日は安心してしまった。
「妊娠六ヶ月、頸管無力症の患者が来る。
子宮口三センチ開大、到着後すぐに緊急頸管縫合術を行う」
そしてテキパキと手術の準備が進められた。
不吉な予感がするが、大丈夫、大丈夫だと言い聞かせる。
遠藤先生だっていつも通りだ。
自信満々な表情で白衣の裾を翻して闊歩し、スタッフに遅いと怒鳴り散らしている。