仮初めマリッジ~イジワル社長が逃してくれません~
彼はこちらへ顔を近づけると、耳元でそっと囁いた。
「君に着せて、いつか脱がせたいやつを選んでいたら、いつの間にか欲しい下着がこんなに増えてた」
これ全部……私の!? ぬぬぬ脱がせたいって何!?
石像のように固まる。彼の言葉に思わず変なことを考えてしまい、ドキドキする鼓動がうるさい。
それにしても、なんで常盤社長がスリーサイズまで知ってるの?
なんて思ったけど、身長・体重・スリーサイズ・足のサイズは全てコンポジットに明記され、クライアントへ堂々と公開されているのを思い出して、羞恥心にかられた。
二人しかいない空間では彼を意識しすぎて苦しくなる。
「あ、あの、常盤社長」
「結衣、そろそろ“慧”って呼んでよ」
彼はうっとりとした表情で私の首筋を撫でた。
「いえ! 恐れ多いので、今後も常盤社長とお呼び――」
「じゃあこれも、君を“婚約者”にするための特別授業の一環だ。……それとも。本当は、君の唇に直接教えて欲しいのかな」
彼は私の言葉を途中で遮ると、百獣の王のような双眸を細め、官能的に唇に弧を描いた。
熱を帯びた視線に貞操の危機を感じた私は、自分を守るように胸の前で腕を交差させる。
「君に着せて、いつか脱がせたいやつを選んでいたら、いつの間にか欲しい下着がこんなに増えてた」
これ全部……私の!? ぬぬぬ脱がせたいって何!?
石像のように固まる。彼の言葉に思わず変なことを考えてしまい、ドキドキする鼓動がうるさい。
それにしても、なんで常盤社長がスリーサイズまで知ってるの?
なんて思ったけど、身長・体重・スリーサイズ・足のサイズは全てコンポジットに明記され、クライアントへ堂々と公開されているのを思い出して、羞恥心にかられた。
二人しかいない空間では彼を意識しすぎて苦しくなる。
「あ、あの、常盤社長」
「結衣、そろそろ“慧”って呼んでよ」
彼はうっとりとした表情で私の首筋を撫でた。
「いえ! 恐れ多いので、今後も常盤社長とお呼び――」
「じゃあこれも、君を“婚約者”にするための特別授業の一環だ。……それとも。本当は、君の唇に直接教えて欲しいのかな」
彼は私の言葉を途中で遮ると、百獣の王のような双眸を細め、官能的に唇に弧を描いた。
熱を帯びた視線に貞操の危機を感じた私は、自分を守るように胸の前で腕を交差させる。