嘘ごと、愛して。

「アンタになにがあっても、今度はちゃんと守るから」

正義の言葉に、嫌な想像が過った。
もしかしてーー


「ありがとう」


もしかして、
正義はーー
真凛を守るために留学を止めて、
留年したのだろうか。


真凛を守るため?


気付いてしまえば、とても単純で、
納得できる理由だった。


優しい正義は真凛のことが本当は好きで、
妹のことが心配で留年を断念したのだ。
そこには離れたくないという気持ちもあったかもしれない。


「最近は本当になにもないよな?」

「ないよ。いつも正義が傍にいてくれるでしょ」

「そうだな。ずっと傍にいる」

温かい店内で心が冷えていく。
ああ、正義は。
最初から真凛のために動いていた。
2人の約束もそういうことだろう。


「美味しそう!」

「だな!」

運ばれてきたパフェはとても美味しそうだったけれど、食欲がなくなっていた。

それでも笑顔で精一杯、嬉しそうに頬張る。




私といる時間も、
貴方は、真凛しか見ていなかった。
それが、現実だ。



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