嘘ごと、愛して。
昼休み終了のチャイムと同時に、裏口から外に出た。
「制服のままだと、ヤバくない?」
「捕まったら、俺のせいにすれば良いよ。無理矢理連れ出されたってことで」
「アンタひとりのせいにできるわけないじゃん」
昼間から外に出る高校生は少し目立つかもしれない。
「何食いたい?」
「正義のオススメで」
「じゃぁ、ラーメンで」
「さっき食べたのに?」
「めっちゃ美味いお店を知ってるからさ」
「アンタがいいなら良いけど」
いつものように気兼ねないテンポの良い会話。
今朝の一件などなかったように振る舞う正義は、尻にひかれるタイプなのかな。
女性関係に絶対に苦労しそう。
真凛の恋を応援したい、そう思っていた。
己に芽生えた感情よりも真凛のことを優先するつもりでいたが、今はもう、ーー真凛を、助けることはできない。
拳を握る。
私は、正義を解放することならできるんだ。