浮気の定理
「……やっ!」



私は声を振り絞ってそう叫ぶと、思いきり水落を突き飛ばした。



とはいっても女の力なんかじゃそこまで抵抗できない。



突き飛ばしたつもりの水落は、少しだけ私との間に距離が出来た場所で立っていた。



「なぁ、わかったろ?

さっきの写真ばらまかれたくないよな?

だったらさぁ

また、俺といいことしようよ?」



私は精一杯の威嚇のつもりで男を睨み付けた。



やはりあの写真を脅しに関係を迫るつもりらしい。



あんな写真をばらまかれたらおしまいだ。
< 49 / 730 >

この作品をシェア

pagetop