浮気の定理
「もし、万が一可愛くねだられたとして、それでも桃子が傷付くようなこと言うわけないだろ?」
以前は木下と苗字で呼んでいた山本は、桃子が離婚して石川に戻ったのをきっかけに名前の方で呼ぶようになっていた。
――確かに、山本が言うはずないか……
謝ろうとしたそのとき、山本がニヤッと意味深な笑みを浮かべてこちらを見る。
「可愛くねだられてポロっと言っちゃうのは、真由ちゃんの方じゃないの?」
「……なっ!」
「お待たせぇ、あれ?真由、どうしたの?顔、真っ赤だけど」
以前は木下と苗字で呼んでいた山本は、桃子が離婚して石川に戻ったのをきっかけに名前の方で呼ぶようになっていた。
――確かに、山本が言うはずないか……
謝ろうとしたそのとき、山本がニヤッと意味深な笑みを浮かべてこちらを見る。
「可愛くねだられてポロっと言っちゃうのは、真由ちゃんの方じゃないの?」
「……なっ!」
「お待たせぇ、あれ?真由、どうしたの?顔、真っ赤だけど」