浮気の定理
「うん、大丈夫……あ、すいませ~ん
さっきのキャンセルで。お会計お願いします」



山本の様子から、もう帰るのだろうと察してそう伝える。



「それ、飲んでからでも良かったのに」



山本が私が注文したばかりの飲み物をキャンセルしたことを、申し訳なさそうにそう言った。



「うん、いいのいいの

それに、もう一杯飲んじゃったら、酔っぱらい二人になるかもよ?」



いたずらっ子のような表情でそう言えば、山本はそれは勘弁して欲しいなぁと笑った。



桃子は眠くなったのか、山本に体を預けてうつらうつらしてる。
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