浮気の定理
「じゃあ、詳しい話は車でしよ?」



山本はわかったと一言だけ呟くと、車の置いてあるんだろう場所へと歩き始める。



その背中が、彼もまた怒っているように見えて、私は何も言わずに彼のあとを着いていった。



バタンと助手席のドアを閉めると、山本が厳しい表情でフロントガラスを見つめている。



声をかけづらい雰囲気に、私は小さく息を吐いた。



それから思いきって口を開く。



「さっきの……聞いてたと思うけど、桃子には絶対に言わないで」



スマホ繋がっていることを思い出したのはついさっきのことだ。
< 537 / 730 >

この作品をシェア

pagetop