浮気の定理
荷物を持って家を出ると、思いがけない顔を見つけた。



「涼子さん、こんにちは」



涼しげな優しい笑顔で招き入れてくれたのは、真由の彼氏の山本くんだ。



桃子と真由の二人で来てくれたんだと思っていたけれど、どうやら下に山本くんを車で待たせていたらしい。



あの日、彼が言ってくれた言葉。



『二人とも結構頼りになるんで、何かあれば相談した方がいいですよ?もちろん、涼子さんさえ良ければ、俺も協力しますから……』



そう、言ってくれたことを思い出す。



言葉通り、彼もまた仕事を早退して、ここに駆けつけてくれていたのだ。



「ありがとう……ほんとに、なんてお礼を言ったらいいか……」



胸が熱くなる。



さっき散々泣いたくせに、また鼻の奥がツンとした。
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