3年後、あの約束の続き
「エスカレーター式で大学まで上がっただけ。第一、橋本はさいたま市だからほぼ東京だし都会じゃん。入間に比べて」
そう言うと橋本は少し勝ち誇った顔をした。
「確かに入間はアウトレットしかない」と更に得意気に言う。

「ま、結局は『ダサイタマ』だけど」
そう言うと、章以外が全員笑った。
さすがにこのジョークは通じないか。


「へぇ、帰国子女?」
章が更に話を振る。

「ちょっとだけですよ。ブラジルに。帰国してからは東京の女子大の付属。別に埼玉から東京に通うって珍しくはないですよ」

「珍しくはないけど・・・何か県民としてはねぇー・・」

橋本、普段はウザイがナイスだ。

「『俺は金髪美女と結婚するんだ!』と言って日本を出ていこうとした橋本に言われたくない」

そう言うと橋本はビールを吹く。

「ま、今は黒髪のオンナの方が好きだよ。金髪は懲りた」
そう言って苦笑いしている。
ざまあみろと思ってしまう私はきっと性格が悪い。
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