散る桜
20


もう二度と逢うことのできない幼友達を、救いたかったというのは、おこがましい。

でも無力なわたしに、彼女を救う術などあっただろうか。


後悔はいつも、言い訳ばかりだ。


どんなに願ったとしても、彼女はもう戻らない。ならばせめて、彼女の代わりにわたしが死ねば良かったのに。


彼は何も言わず、わたしの涙を拭った。

青く晴れた空に、小さなちぎれ雲だけが一つ、ぽつんと浮いていた。

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