散る桜
23


彼はわたしに気付くと、嬉しそうに破顔して、しずかとわたしの名を呼んだ。


「今日は、来ないかと思っていた」

「どうして?」


「雨が……」

遠雷が光った。


低く垂れた雨雲からは、時折大きな雨粒がザアッと忌地に降りつけた。


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