散る桜
41


祖母は一瞬だけ、何かに気付いたように、ハッと目を見開いた。


「しいちゃん。忌地で、誰を見たの?」

誰、と祖母ははっきり言った。


「……。青い髪の、男のヒト」

わたしは下を向いたまま、小声で答えた。


「そう。まだ、あそこにいるのね」

上目で見上げた祖母は、懐かしそうに目を細めて呟いた。
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