散る桜
43
祖母は苦しげに眉を寄せ、目を閉じた。
「おばあちゃん?」
「……。しいちゃんが逢ったのはね、ヒトととは違う、ケガレビトなのよ」
祖母は少しのあいだ沈黙してから、指で空に『忌人』と書いた。
「おばあちゃんも昔、会ったことがあるの。忌地に山桜が咲いていたでしょう?おばあちゃんは見たのよ。ケガレビトの腕の中で、姉さんが山桜になったところを」
「姉さん?」
「そう。おばあちゃんのお姉さん。あれは、夢だったのかも知れないわ。でも、姉さんはあの日から、帰ってこない。忌地に引かれたのよ。……おばあちゃんの代わりに」
祖母は苦しげに眉を寄せ、目を閉じた。
「おばあちゃん?」
「……。しいちゃんが逢ったのはね、ヒトととは違う、ケガレビトなのよ」
祖母は少しのあいだ沈黙してから、指で空に『忌人』と書いた。
「おばあちゃんも昔、会ったことがあるの。忌地に山桜が咲いていたでしょう?おばあちゃんは見たのよ。ケガレビトの腕の中で、姉さんが山桜になったところを」
「姉さん?」
「そう。おばあちゃんのお姉さん。あれは、夢だったのかも知れないわ。でも、姉さんはあの日から、帰ってこない。忌地に引かれたのよ。……おばあちゃんの代わりに」