姉貴は俺のもの


「 あの、絶対に何があっても家からは出ないでください


もし俺ら以外の人が開けろと行っても、開けずになるべく上に逃げてその通り道にある全てのドアに鍵をかけてください。 いいですね? 」


______ハハ。


そういうことーー



自分は弁解もしないくせに、私が逃げないように

策を講じたってわけ。


私の本当の恋人を危険な人だと思わせるために……


「 …………… 」


なんであんな人、好きになったんだろ。




思わず好きと言ってしまいそうなほど整った顔に、揺さぶられることなく


私は陸くんの内面を好きになったと思ってたのに____



私って尻軽??



「 美奈帆さん、いいですか 」



黙ってたから、さっきよりちょっと強い口調で訊かれ

私は頷いた。



はぁと、目の前の人たちはため息をつきながら

私の素っ気ない態度に顔を見合わせる



いいんだよ、面倒くさいと思うなら今すぐ警護なんてやめてくれても


そしたら私も、この家から安易に逃げ出すことができるのに………



「 上に行ってます。 」


「 あ、分かりました。 」



真実を知ってなおさら、慣れ始めてたこの奇妙な生活に改めて違和感を覚えたのだった。


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