イケメン御曹司は一途な溺愛王子でした~愛の重さはヘビー級?!~
「ほら、私もこの春から副社長の第二秘書になったじゃない?」
「そう言えば、そうだったね。さすが、同期一の優秀さを認められて秘書課に配属になっただけあるよね!そんな有希子は自慢の同期で友人よ!」
「本当に、莉々花は素直で可愛いわね。それで配属の挨拶の後の副社長の第一声が問題だったのよ!」

その声はいつになく低く、表情にはやや怒りが見てとれる。

「有希子、落ち着いてね?ほら、有希子が好きって言ってくれる卵焼きあげるから」

そう言って、私は有希子の持ってた定食の小鉢に卵焼きを置く。

「ありがとう!本当に莉々花は料理上手ね!でね!第一声が、仕事は坪内に教わって、君には他にもお願いがありまして、君の仲の良い同期の清水さんとお話したいんです。橋渡し願えませんか?だよ!!私情挟みまくりの人事異動じゃない!」

うーん、確かに異動初日の挨拶の次にそんな言葉を言われたら嫌だろうな。

「それで、その時有希子はなんて返事をしたの?」
「そんなことのために私を異動させたのなら、今すぐグループ秘書に戻してください。友人を売るような真似は致しません!!って言ってやったわよ!」

ふん!と鼻息荒くも教えてくれた。

「それで、何だかんだ春からこっち、莉々花のとこに行けないようなスケジューリングしてたのに」

ぶつぶつ言う有希子。
それもそれでなかなかに私情挟んでないかしら?

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