なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー
夕菜に観葉植物の水やりをお願いして、未だにカーテンがひかれた寝室へと足を運ぶ。
カーテンを開けると、太陽の光が暗かった寝室を明るく照らす。
今日はいい天気になってよかった。
まるであなたが笑っているみたい。
太陽に微笑んで、まだ眠っている寝坊助を揺する。
「…起きて。朝だよ今日は行くところがあるんだか…らっ…!」
「…ん、夏生…」
いきなり布団が捲れ上がったかと思えばそのまま引きずり込まれた。
なんとか横になるのは阻止して、未だに目を閉じる寝坊助を叩いた。
「こら深侑!起きないと朝食抜きにするからね?」
「…ん、それは困る……」
こうしてやっと起きてくれた深侑は布団の中で背伸びをして、ゆっくりと起き上がった。