キライ、じゃないよ。
「……私、高校の時たくさん樫に助けられてたんだよね」

「なんだよ、急に」

「ほら!高校2年の文化祭の時、私は立て看板係で。5-6人で苦労して作ったのに、クラスでふざけてた男子に壊されちゃってさ。原因になった男子は責任転嫁して帰っちゃって。係のみんな落ち込んで、時間もなくてもう諦めようって……でもそんなの私嫌で、残って1人で修理してて……」

「そうそう。先輩がお古で良ければ看板くれるって言ってんのに、護頑なに拒否してさ。泣きながら看板直してるんだもんな」

「な、泣いてなんかないよ」


まさか、泣いているところまで見られていたとは思わなかった。

諦めて帰って行くクラスメイト達を見送りながら、なんだか無性に悔しくて、寂しくて……。

そしたら、樫が来たんだよね。

コンビニのお弁当とお菓子買って来てくれて、一緒に看板直してくれたんだ。


「護の頑固な性格に付き合ってやれるの、俺しかいなかっただろ」

「香と、山近くんも付き合ってくれたもの」

「まぁな。友達が困ってたら普通助けるだろ」

「うん。そうだね」


そう。あの文化祭の時だけじゃない。

思えば、いつも私が困っている時は、必ず樫がそばにいてくれて、絶対なんとかしてくれた。

いつも、いつも。
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