キライ、じゃないよ。
「樫って、優しいのか冷たいのか分かんない」

「は?」

「ストーカーを心配して、ボディガードの如く守られていたら、私なら勘違いする。田淵さんだって思った筈だもん。もしかしたら樫くんもって……それなのに、そんな田淵さんにヒドイ言葉を吐けるなんて、ちょっと引くよ」

「……別に困っている相手を助ける位普通だろう?田淵に対してヒドイ言葉を吐いたのは、護を傷つけたからだしな」


私のために怒ってくれたってこと?


「幸島から護のことを聞かされた。こんな細っこい腕になっちまって……」


言いながら掴んだ私の腕をぎゅっと握りしめてくる。

たしかに八田くんとのことがあってから、食事も喉を通らなくなった。元々食べなければすぐに体重が落ちてしまうから、たしかに痩せたかもしれないけど……。


「あの写真を見せられた時に全部分かった。あれは仕組まれたことだって。それ以外に護がこんな風になる理由が思い浮かばなかったしな。あれは、護にとって望んだ行為じゃなかったってこと。あんなんで俺らを引き離せると考えてるおめでたい奴に遠慮する必要はないだろう」

「信じて……くれたんだ。私のこと」

「俺、結構自惚れてたからな。護もきっと俺のことが好きだろうなって」

「は?」


あんまりにも自信満々な樫に思わず呆れた声が出た。


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