もしもあの時

偏差値の高い大学だったわけでも、名の知れた有名な大学でもなく、お金を払って社会人になる時間を延ばしていたような大学に向上心があって通っている学生は数少ない。



バイトや部活に明け暮れる奴、サークルで合コン三昧の奴、いかに学校に行かずに単位を取るか考えている奴。



思い返すと❝学費の無駄❞としか思えない4年間を過ごしていた奴らの集まりだった。


働き始めた今ならわかる。


俺達にかけられた学費を稼ぐにはどれだけの時間と労力がかかるかってことを。


無知って怖いよな…


年間何百万というお金を捨てるかのように、日々の生活を送っていた。


でも、不思議とその時間が無駄だったとは思えない。


お金の価値がわかり、金の無駄だとは思っても、あの頃の4年間が無駄だったとは思えない。


寧ろ、今の自分の根底にあるのがあの4年間だった気がする。
< 9 / 12 >

この作品をシェア

pagetop