彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「なに、あんた?どこの子?」
「僕は・・・町内パトロールのものです。」
「パトロール?あんたみたいな子供が?」
「はい。」
「何の用?」
「あの・・・今、お経のようなものを、みなさんで熱唱してますよね?」
「文言(もんごん)といいなさい!ありがたいお言葉なのよ!?」
「す、すみません!文言です!その・・・文言を唱える声が大きすぎるのと、唱える回数が多すぎますので、やめて頂けませんか?」
「帰れクソガキ!!」
私が最後まで言わないうちに、おばさんが大声で吠える。
「あたしは、身を清めるため、このくさった世界を浄化するために祈祷してるのよ!?あんたは、その邪魔をするのかっ!?」
「ええ!?」
(なにこの人!?聞いていた以上に変な人なんですけど!?)
「邪魔とかではなく・・・あなた方の行為で、困っている方がいると聞いて・・・」
「だまされてダメよ、幼い魂!」
そう言うなり、私の手をにぎるおばさん。
(ひっ!?)
べとっとした脂汗に、マスクの下の口元が強張る。
「大丈夫!守護神様は、信じる者を救済してくれる!あなたは、悪い大人にだまされただけ!今ならまだ助かる!」
「はあ!?」
「あたしが救ってあげるわ!一緒に守護神様のために祈りましょう!」
「いりません!いりません!間に合ってます!」
「人の善意を断るとは無礼な!子供は大人の言うことを聞けばいい!大人が生み出してやったから、この世に存在できるんだ!それを罰当たりめ!」
「や、やめてください!」
「わかったの!?わかったのね!ならば、さあ、おいで!一緒に守護神様に祈りをささげましょう・・・可愛い坊や・・・!!」
そう言いながら舌なめずりをする。
「え!?ええ!?え、遠慮しまーす!!」
その姿を見て、全身に鳥肌が立つ。
身の危険を感じる。
「さようなら!」
アドバイス通り、相手を振り切って逃げる。
「待ちなさい!この恩知らず!!」
(恩なんか受けてない!)
初対面なのに、何言ってんのこの人!?
ホント、話の通じない宇宙人だよ!!
心で突っ込みながら、全速力で離れる。
〔★凛は振り返らずに逃げ出した★〕