彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
変な人との直接対決を、後悔しながら撤収する。
「凛たん、こっちこっち!」
「烈司さぁーん!」
「大丈夫か?」
戻ってきた私を、かばうように抱きしめて、電柱の陰へと身を隠す烈司さん。
わめく声は聞こえ続けたけど、追ってくる様子はなかった。
「こ、怖かったぁ・・・!」
「ああ。しゃべることが、むちゃくちゃだったな?まる聞え声だったぜ?」
「なんなんですか、あの人!?」
「話が通じない人だってことはわかった。」
私の頭をなでながら、ニヤリと笑う男前。
「せっかくのラストチャンスだったのに、馬鹿な奴らだねー」
「ラストチャンス?」
「凛たんみたいな子供の一生懸命なお願いに、少しでも耳を傾ければ、烈司さんも手荒なことをしなかったってこと。・・・エロいことしようとしたしなぁー・・・!」
「え?手をにぎるのが、エッチなことなんですか?」
「ははは!ともかく、さっさと片づけようっか?」
私の疑問を笑顔でスルーする男前。
「どうされる気ですか?」
「あの家は、いろんな悪いものが集まってる。その負の念を利用させてもらう。」
そうつぶやくと、水晶の数珠を取り出す烈司さん。
それを手にからめ、両手で挟むようにして合掌した。
「烈司さん?」
「良いって言うまで、静かにね?」
そう言われ、静かに待つ。
烈司さんは、目を閉じてジッとしている。
祈っているようだけど、並みならぬ気迫みたいなのを感じた。
「はい、終わり。」
「え?」
時間にして、1分もなかったと思う。
「もう終わり・・・ですか?」
「ああ。」
「もしかして・・・力を使ったんですか?」
「使わなきゃ、『呪い返し』できないからな~」
「『呪い』!?」
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