彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
ビックリする私に、普通の表情で烈司さんは言う。
「凛たんを出迎えたおばさん、『呪い』をやってるよ。」
「やっぱり危ない人じゃないですか!?呪いって、霊能者なんですか!?」
「いや、少しばかりかじった程度のレベルの低い奴だ。つーても、相談者の不眠の半分は、あのおばさんの呪いが原因だ。もう払ったからいいけどよ。」
「怖いですね・・・・呪われたら、寝不足になるんですか。」
「ははは!たまたまだよ。弱ってると影響を受けやすいってだけの話。今回の奥様の場合は、不眠って形で被害が出たんだろう。現に、他の家族は不眠にならず、違う形で体を壊してる。人それぞれ弱点が違うから、そこにダメージ受けたんだろうぜ。」
「ひどいことしますね。周りに迷惑をかけて・・・なにを浄化するっていうんですか!?」
「ああ、浄化はしなきゃダメだろう。空き家になってる左隣の家・・・呪いおばさんが庭に何か埋めてるぜ。大原会長に言って、不動産屋に連絡して掘り出さないとな。」
「え!?何が埋まってるんですか!?」
「あー呪い的なアイテム?よくやるよなぁ~」
「いやいや!烈司さんこそ、そんなことまでよくわかりますね!?」
「そりゃ、あれだけ真っ黒だとな。人も家も黒いじゃん?」
黒い・・・?
チラッと見てみるけど、黒には見えない。
白い壁と緑の屋根の家にしか見えない。
さっき話した住人だって、汚い恰好だったけど、日焼けもしてない白い肌だった。
家にこもっているのか、日焼け止めを塗ってるのかわからないけど、美白的な肌だった。
「視える人には見えるって奴かな?凛たんも見たい?」
「視えないままでいいです。」
「だよな~」
「視えるのも大変そうですね・・・」
「慣れたからいいよ。帰ろう、凛たん。」
私の肩を叩き卯ながら烈司さんは言う。
「ちゃんとパトロールしたし、相談も受けて動いた。邪気も払って、悪い念は全部あの家に住んでる奴と、出入りしてる奴らに返しておいた。」
「じゃあ、この変な呪文の合唱もいずれなくなるんですね?」
「おう。そういうわけで、凛たん・・・」
ガクンと、烈司さんの身体が崩れる。
「烈司さん!?」
「タクシー呼んだから、乗り降り、手伝ってぇ・・・!」
「烈司さんっ!?」
弱る姿に、力を使った副作用が出たのだと知る。
〔★烈司は力を使い果たした★〕