彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
私をギューとした後で、すっきりした表情の瑞希お兄ちゃんが言った。
「じゃあ、私もお風呂に入ってくるわね。」
「わかりました。」
「覗いちゃダメよ!?」
「のぞきませんよ。」
「絶対に覗いちゃダメよ!?大事だから二度言ったから!」
「絶対にのぞきませんって! 」
「テレビは見ちゃダメよ?1人カラオケしてなさい!」
「え?寝ちゃダメなんですか?」
「い、いいけど・・・大人しくするのよ?」
「はい。あの・・・お風呂場なんですけど、脱衣所がなかったので・・・」
「マジか!?わ、わかったわ、ありがとう・・・」
「いえいえ。」
「覗いちゃダメよ?じゃあね。」
最後まで念押しするミクお姉さん。
相手がバスルームに消えたところでため息が出る。
(緊張した・・・・)
脱力しながらベッドに寝ころぶ。
ド派手な天井を見ながら考える。
(明日の朝までここかぁ・・・)
警察の包囲網がなくならない限り出れない。
(ちーちゃんとつなぐは逃げれたかな・・・?)
あの2人だけじゃない。
なずなちゃんはどうなったか。
丸山さん達は無事なのか。
他の人も・・・烈司さん達は大丈夫だと思うけど。
携帯電話に手を伸ばす。
画面をタッチすれば、LINEが来ていたことに気づく。
ちーちゃんからだった。
―俺もつなぐっちも、逃走完了―
(よかった・・・逃げれたのね・・・)
ホッとしながら返事をする。
―こちらも完了。―
打ち込んで送信する。
心配させないように、無事であると伝える。
ホテルに隠れていることは伏せた。
画面を変えて、アラームをセットする。
両親が起きるまで、家に帰れるだろうか?
「喉乾いた・・・」
(寝る前に、何か飲もう。)
ベッドから降りて、自販機へと近づく。
そして違和感に気づく。