彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
なんとか壁際まで後退する。
「なに逃げてんだよ!?」
「こ、来ないでください!」
(怖い!)
ここで、女の子だとバレるのは、すごく嫌だ!
「蓮君・・・」
瑞希お兄ちゃんは私を追いかけてきた。
私の前で立ち止まるのがわかった。
体育座りで固まる私。
そんな私に彼は・・・
「ほら。」
「あ・・・」
飲み物を差し出した。
「ビビるな、ばか。」
そう言うと、飲み物を受け取る様にジェスチャーする。
「なにもしないから。」
「・・・うん。」
そう言われ、恐々ドリンクを受け取る。
「良い子だ。おいで。」
優しい声で言われ、手を取られ、瑞希お兄ちゃんのなすがままになる。
立ち上がり、彼の手に引かれてベッドへと戻った。
(そうだよ・・・瑞希お兄ちゃんが、変なことするわけないよね・・・)
〔★凛は冷静になった★〕
ベッドに腰かけながら、俺の隣で小さくなっている凛に言った。
「ほら、ジュース飲みなさい。」
「・・・・うん。」
俺の方を気にしつつも、「いただきます。」と言ってから飲み始める。
俺もドリンクの口を開けて飲んだ。
「あの・・・ジュース、おいくらで・・・」
「驚かせたお詫びよ。気にしないで。」
「だけど・・・」
「いいから。」
手を伸ばした頭を撫でれば、ビクッと震える。
それでも辛抱強くなでていれば、凛から伝わる振動は止まった。
凛をなだめてから思う。
(これ、男女逆じゃねぇか・・・?)
なんで凛が、女になってる俺に怯えるんだよ?
襲われる心配してんだよ?
MESSIAH対策でやったことは、あれ完全な演技なんだぞ!?
(まさか俺、本気でショタコンとか思われてないよな・・・!?)
〔★瑞希は悶々としている★〕
並んでベッドに座る私達。
ジュースをごちそうしてくれた上に、優しくヨシヨシしてくれる瑞希お兄ちゃんに気持ちよくなる。
フワフワする気分で正面を見たら、大きな鏡が設置されていた。
そこに映るのは、ペンギンと羊。
それで我に返る。
(なんだろう・・・このツーショット・・・)
〔★鳥類と哺乳類の共演だ★〕