彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



(そういえば・・・)



前に、雑賀先生と話した時の会話を思い出す。



(雑賀先生、伊吹陽翔さんのこと知ってたけど・・・九條アキナのことも知ってるのかな・・・?)



伊吹陽翔さんを知ってるなら、彼女だった九條アキナさんのことも知っているはず。

知っているなら聞いてみたい。



(少しでも、九條アキナが瑞希お兄ちゃんを恨む気持ちが薄くなる糸口が見つかるならば―――――――!)



そう思った時だった。





ピンポンパンポーン♪




近くにあったスピーカーが鳴る。



〈ただいまより、花火大会を開始いたします。〉



「お、始まるみたいだな、凛?」

「あ・・・そうですね、瑞希お兄ちゃん。」

「早く座ろうぜ。」



それで私の思考も遮断された。

元いた位置に腰を下ろせば、周りのみんなも着席する。



「凛、あそこから打ち上がるから、よーく見とけよ?」

「はい。」



対岸を指さしながら、楽しそうに説明してくれる好きな人。

私もちゃっかりと彼の体にくっついて身を預ける。

瑞希お兄ちゃんにもたれかかるが、彼は私を怒らない。



「楽しみねぇ~凛ちゃ~ん!」

「わっ!?モニカちゃん!?」

「モニカ先輩!」

「あん!はしゃいだ高千穂ちゃんに押されるぅ~」

「押してないっすよ!」

「テンション下げろ、モニカ!凛がつぶれる!」



ふざけたモニカちゃんが、カンナさんを抱きしめて道ずれにしながら私にもたれかかってきたから。

これに瑞希お兄ちゃんが、私をかばうように抱き寄せてくれたのでラッキー♪



〔★一部の男子はアンラッキーだ★〕



〈お待たせしました、みな様!打ち上げ花火の始まりです!〉



LOVEテンションがマックスになった時、対岸から空に向かって飛び出す火薬。

その動きに合わせて夜空を上を見れば、その空に鮮やかな光が舞った。





ドドーン!



「わあー!」



はじけ飛んだ火薬が、鮮やかな大輪を咲かせる。

次々に上がっては消えていく光の結晶。



「わはははは!たまやー!!」

「うははは!かぎやー!!」



花火に反応して、うるさい2人が空に向かって叫ぶ。



〔★遠吠えとも言える★〕



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