彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「うははは!ええやんかー教えてや!」

「僕はね!時間をかけて問題を説いたんですよ!?君はその努力をしないで答えだけ知りたいとか・・・不公平でしょ!?」

「うははは!それもそうか!」

「そうですよ!だから解き方は教えますが、回答は口にしません。」

「わかった!ほな凛!聞きたいんやけど~」

「なんです?」

「晩飯、わしのうちで食ってくか?」

「勉強に関する質問をして下さい!」



〔★宿題と関係なかった★〕


見えない口元をゆがめながら言えば、さすがにヤマトも察したのだろう。

すまんすまん!と、謝りながら言った。




「わかった、わかった!ほな凛!聞きたいんやけど~」

「今度は何です?」

「九條アキナって、どんな人や?」




その質問で、体が固まるのがわかった。

またしても、勉強とは関係ない話。

関係ない質問をされるとは思っていたが・・・





「どんなって・・・」



(そうくるか・・・)



こういう空気の時に、あえてそういうことを聞いてくるか。



(このタイミングで聞かれたら、無視するわけにはいかないじゃない・・・)



あしらえない問いを、さらにヤマトは追及する。



「わしなーあの後みんなに聞いてみたんやけど、誰も教えてくれへんねん!」

「みんなって?」

「みんなや!くわしそうな瑞希はんらも教えてくれへんねん。」



(言わなかったんだ、瑞希お兄ちゃん達・・・)



「まぁ、わしは新入りやから、簡単に教えてもらえ変化ったと思う。せやから、大切な凛になら、教えてると~」

「僕もだよ。」

「へ?」

「僕もよく・・・・知らないんだ。」

「わからへんのか?」

「うん・・・・今回のことがあるまで・・・九條アキナさんの名前だって、知りませんでした。」

「それ以外は知っとったんか?」

「2代目の彼女の存在だけは・・・」

「ふーん!言いたくないのか、隠したいのか・・・・どっちかやな~」



(両方じゃないかな。)



どっちにせよ、話すそぶりがないので想像するしかないけど・・・



「なぁ、他の先代はどないしてんねん?名前は?」

「え?あー・・・わからないです。」

「え?総長なのにか?」

「う・・・。」



痛いところをつかれたが、反論は出来ない。

言われてみれば、私は知らない。

他の2代目メンバーの情報を。


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