彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「そ、そんなこと言われても・・・教えてもらってないから仕方ないでしょう?」

「凛・・・教えてもらってないっちゅーよりも・・・」



持っていたシャーペンをくるくる回しながらヤマトが言う。



「瑞希はん以外、興味ないから聞かへんかったんちゃうか?」

「そ、そんなことは!」



ないと言いきれない・・・わ。



〔★当たってる★〕



元々、暴走族の総長なんてする気はなかった。

瑞希お兄ちゃんの側にいたかっただけ。



(だから、ひどい言い方になるけど・・・瑞希お兄ちゃん以外はどうでもいいと言いますか・・・)



自己嫌悪をする私に、のんびりとした口調でヤマトは言う。



「まあ、他の2代目さんらのことを知らんにしても、九條アキナの情報は仕入れといた方がええで。あの姉ちゃん、ぶっ飛び系やからな!もろ危険物やん、うはははは!」

「・・・やっぱり、危ない人かな?」

「初対面で火葬にしようってやつは、危ないやろうー?凛の場合、仮装やけど!うははははは!!」

「笑えませんよっ!」

上手いことは言ってるけど!



〔★評価はするらしい★〕



「墓に備えた花も、なんや縁起の悪い花ことばのもんばっかチョイスしとったんやろうー?」

「・・・・可児君は、そう聞いたらしいです・・・」



もはや、衝突は避けられないとは思うけど・・・



「話し合いで説得出来ればいいんですが・・・」

「うはははは!出来そうか?」

「・・・・厳しい戦いになりそうです。」

「そらぁ、そうやろう!自分がしてることが正しいっちゅー頭で動いとったやろう?そういうやつは始末が悪いねん!」



(自分がしてることが正しいか・・・)



涼子ちゃんと同じことを言うとは。



「それ、他の人も言ってましたよ・・・。」

「お!?わしと気が合いそうやな~紹介してや!」

「もう知り合いですよ。」

「うはははは!誰やろうー!?」

「宿題が出来たら教えてあげます。」

「ほな、きばろうか~」



シャーペンをカチカチ鳴らしながら言う関西人。



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