彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「話はわかりました。みなさん、上がってください。」

「おう。つーか、なんで五十嵐の家なのに、凛が案内してんだよ?」

「いえ、今やっと、勉強する気になってきたところなんですよ。」

「ははは!ダセーりんどー!パシられてやんのー!」

「なに聞いてんだよ、悠斗!凛は集中力0野郎の面倒見てやってるだけだろう!?」

「そうだ!よく言った、高千穂!!凛さんは親切なんだっ!!」

「たく、ちっとは凛を見習えっての!」

「な!?ど、どういう意味だよカンナー!?てか、待てよー!」

「どんまい、悠斗。」

「けっ!くだらねー!」

「ウェイウェイウェイ!リンリンと過ごす夏休み最高~!」

「お土産にゼリー買ってきましたよぉ~」

「ありがとう、つなぐ。ヤマトー!ちーちゃんが、『みんなで』着ましたよ~!」



苦笑いで答え、部屋の奥の家主を呼びながら、みんなを案内する。




「うはははは!いらっしゃーい!まあ、好きに飲み食いしてってやー!」



予定していたよりも多い訪問者に、関西男児は動じない。



「準備万端やで~!うはははは!」

「え?」



陽気な声で答えてくれたと思ったら、テーブルにジュースとお菓子の山を並べるヤマトがいた。



「ちょっと!?ヤマト、勉強は!?」

「うははは!おもてなしせんと、いかんがな~!?」

「だからって、勉強を途中やめにしないでください!せっかく集中してたのに!」

「うはははは!!せやから、おもてなしせんといかんがな~!?こっちの方が、勉強より楽やし~!」

「最後の言葉が本音でしょう!?今楽をしたら、後で君が困るんですよ!?おもてなしは僕がしますから!ヤマトは勉強してくださいよ!」

「うはははは♪おおきに~!」

「いいから、早くドリルの前に戻って!」



(せっかく、自力で勉強をやり始めたと思ったのに・・・!)



ガックリくる私とは対照的に、部屋に入ってくる仲間達はテンションは高かった。




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