彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)





「へえー菅原さん、98点だったんだ。」

「坂口さん。」



声をかけてきたのは同じクラスの坂口レイ。



(一番頭の良い女の子・・・)



自信家な子で、初日に、私のこと私の前で堂々と言った相手だ。

最初は嫌な子かと思ったけど・・・



「菅原さん、英語の最後の問題は解けた?」

「ああ、あのひっかけ問題?」

「やっぱり気づいてたんだ!からかってくれるよねぇ~」

「ああいう問題にも慣れなさいって意味じゃないかな?物理にもあったよね?」

「問いの5でしょ?あれの方が子供だましよ!何点だったの?」

「そこを間違えて、95点です。」

「それでもやるじゃない!嫌味じゃないけど、私は97点。菅原さん、もっと頑張ればあたしといい勝負できるのに。」

「あ、ありがとう。」



嫌な子ではないんだけど・・・うん。



〔★辛口な子だ★〕



いろいろお節介を言ってくるので、ちょっとやりにくくはあった。



「菅原さん、私の良きライバルだって自覚あるの?」

「そ、そんな!さすがに、才女の坂口さんと私がライバルって言うのは・・・私も、自分の限界はわかってるから無理だよ。」

「ホント、菅原さんは気が弱いのね?そんなんじゃ、社会で戦えないよ?」



(裏社会では戦えてるんだけどな・・・)



ヤンキーとか、暴走族とか、ヤクザとか・・・



〔★菅原凛は立場が弱い★〕



「レイちゃん、それぐらいにして帰ろう。菅原さんも途中まで行こう。」

「う、うん。」

「ごめん、かえで!先に行ってて。あたし、菅原さんと話してから行くから。」

「え!?」

「そ、そう?じゃあ、菅原さんバイバイ~」

「ええ!?ちょっと!」



坂口さんの性格をよく知ってるらしい友人達は、そそくさと私達から逃げていく。



(置き去りにされた!?)



〔★押し付けられたとも言う★〕





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