エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
次の瞬間、バチッと宙で交わった東條聖と私の視線。明らかな動揺をしている私とは対照的に顔色ひとつ変えずこちらを見る彼。
なんだかその余裕綽々な姿を見ていると悔しくて私はバッとあからさまに視線を逸らした。
こんな偶然が重なる事があるんだろうか?
混乱収まらぬ私の横で私の両親が東條家の方に挨拶を始めたけれどまったくもって会話が頭に入っては来ない。
私の気持ちが落ち着く間もないまま、父が東條さん一家を和室へと招き入れ、私は天敵である東條さんと向かい合う形で着席する形になり、逃げ場さえ与えてはもらえない。
それどころかどんどん私の領域が侵されている事に妙な焦りさえ感じ始めていた。
「紗凪、聞いているのか? ちゃんと挨拶をしなさい」
「えっ? あっ、はい……。さ、冴草紗凪と申します」
心ここにあらずで父の促しさえも聞こえていない始末で、最低最悪なこの状況にお見合いを了承してしまった事にとめどない後悔が溢れてくる。
「あまりに聖さんが素敵な方だから紗凪ったら見惚れてしまったんじゃないかしら」
「いえいえ。とんでもない。紗凪さんこそ可愛らしくて素敵なお嬢さんですね」
互いの母親が互いの子供を褒めちぎり楽しく談笑する中、私の想いだけが置いてけぼりを食っていた。
なんだかその余裕綽々な姿を見ていると悔しくて私はバッとあからさまに視線を逸らした。
こんな偶然が重なる事があるんだろうか?
混乱収まらぬ私の横で私の両親が東條家の方に挨拶を始めたけれどまったくもって会話が頭に入っては来ない。
私の気持ちが落ち着く間もないまま、父が東條さん一家を和室へと招き入れ、私は天敵である東條さんと向かい合う形で着席する形になり、逃げ場さえ与えてはもらえない。
それどころかどんどん私の領域が侵されている事に妙な焦りさえ感じ始めていた。
「紗凪、聞いているのか? ちゃんと挨拶をしなさい」
「えっ? あっ、はい……。さ、冴草紗凪と申します」
心ここにあらずで父の促しさえも聞こえていない始末で、最低最悪なこの状況にお見合いを了承してしまった事にとめどない後悔が溢れてくる。
「あまりに聖さんが素敵な方だから紗凪ったら見惚れてしまったんじゃないかしら」
「いえいえ。とんでもない。紗凪さんこそ可愛らしくて素敵なお嬢さんですね」
互いの母親が互いの子供を褒めちぎり楽しく談笑する中、私の想いだけが置いてけぼりを食っていた。