綺麗なブルーを描けません
…でも、念のためかけた電話は、つながらなかった。

その考えが見えたのか、お兄さんは、ポケットから、携帯電話をつまみ上げて、

「さっき会った時、没収しといたからね」

…連絡できないハズだ。

あたしは、彼女の方を見た。
柊くんの、元は友達だ。

通じるものがあるかもしれない。

けど、一目で、そんな希望は打ち砕かれる。

…怖いよ。

元々、対人は得意じゃない。

それを、あからさまにあたしのこと恨んでる人相手なんて、無理でしかない。

味方はいない、か…。

あたしは目を閉じる。

束の間、現実逃避。

それから、ひたすら、次に何か起こるのを待つ。
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