綺麗なブルーを描けません
柚葉さんは、異常に気付いてくれただろうか。

しばらくして、

誰かが来た。

きっと柊くんだな。

静かなトーンで喋ってる。

意外。

それから、居間のドアが開いて、柊くんが入ってきた。

あたしの左側が、騒がしくなる。

彼女が、何か言ってるんだ。

でも、聞きたくないし、見られない。

あたしは、黙って、柊くんを見た。

柊くんは、ものすごく驚いてあたしを見て、それから、必死で自分をなだめたように、平静になった。

「どういうことですか?」

静かな声で、柊くんが訊いている。

聴いたことのないトーン。

でも、凄く怒っていることは分かる。

「どういうこと?変なこと訊くなあ。オレはお前がやりやすいようにしてやっただけだ」

柊くんは、お兄さんを見る。

お兄さんは、心の底から楽しそうに笑う。

そして、
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