綺麗なブルーを描けません

「預けとけば?鍵忘れて帰って、ここに泊めてもらわなくちゃいけなくなるより、いいと思う。…やりかねないからな。エマって」

それは、あたしも思うけど、さすがに、もう、鍵は忘れない。

そこそこに独り暮らしも長いから。

「…さて、エマも帰りな。…ちゃんと部屋入るとこまで見届けさせて」

柊くんのドアの鍵を閉めて、今度はあたしのドアを開ける。

「あ、柚葉さん、明日って、予定ありますか?」

「うん。不動産屋に、部屋を見につれ回される予定」

「そう、ですか。せっかく来られても、忙しいんだ」

「夜なら暇だけど」

「じゃ、夜、会ってもらえます?」

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