守りたい人【完】(番外編完)
それでも、鍛冶君は口元に笑みを浮かべたまま、頭上を舞う蛍を眺めながら思い出を語り続けた。
「大阪に戻ってからも、その子の事が忘れられんかった。何をしていても、誰といても、どこにいれも、頭から離れんかった。あの横顔が何度も脳裏に過るんや」
「――」
「こんな気持ち、初めてやった。だけど、ようやく分かった」
思わず首を傾げた私に、鍛冶君の視線が返ってくる。
そして、優しく大きな目を細めてニッコリと笑った。
「一目惚れやったんや」
その真っ直ぐな言葉に、目を見開く。
何て言っていいか分からずに、鍛冶君を見つめたまま固まる。
「そうと分かってからは、すぐに行動した。住んでいた家を出て、あの時おっちゃんに教えてもらった場所に電話した」
「それって……」
「まぁ、普通ここまで言うたら分かるわな」
ポツリと呟いた私の言葉を聞いて、鍛冶君が照れ臭そうに笑った。
その表情を見て、私の予想は間違っていなかったのだと確信する。
その鍛冶君の言う『一目惚れした女性』は私なのだと――。
「大阪に戻ってからも、その子の事が忘れられんかった。何をしていても、誰といても、どこにいれも、頭から離れんかった。あの横顔が何度も脳裏に過るんや」
「――」
「こんな気持ち、初めてやった。だけど、ようやく分かった」
思わず首を傾げた私に、鍛冶君の視線が返ってくる。
そして、優しく大きな目を細めてニッコリと笑った。
「一目惚れやったんや」
その真っ直ぐな言葉に、目を見開く。
何て言っていいか分からずに、鍛冶君を見つめたまま固まる。
「そうと分かってからは、すぐに行動した。住んでいた家を出て、あの時おっちゃんに教えてもらった場所に電話した」
「それって……」
「まぁ、普通ここまで言うたら分かるわな」
ポツリと呟いた私の言葉を聞いて、鍛冶君が照れ臭そうに笑った。
その表情を見て、私の予想は間違っていなかったのだと確信する。
その鍛冶君の言う『一目惚れした女性』は私なのだと――。