クールな御曹司の契約妻になりました
「ありがとうございます」

なんだかちょっとだけ照れ臭くて、千裕さんに見つめられた視線を交わして呟くように伝える。

それから握りしめられた手を、わずかに握り返す。

千裕さんはそれに気が付いて、嬉しそうに顔をくしゃっとして見せた。


洗いざらいの髪の毛が横に流れて、欠伸を噛み殺している千裕さんは、ただでさえいつもに増して色気まで倍増しているというのに、千裕さんのそんな笑顔は、私の胸を高鳴らせるには十分すぎるほどの威力だ。

「今夜はこのまま、手を繋いでてあげるよ。大丈夫、香穂は俺が守るから」

うるさい位に音を立てる胸を落ち着けようと目を瞑ったら、いつの間にか眠気が襲ってきた。


夢の中に堕ちていく間際に、耳元で甘い言葉が囁かれた気がした。

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