君とチョコと花束と
「俺が好きなのは吉岡だよ。チョコ渡して成功したなら言わないつもりだった…。
でも好きな子がこんなに泣いてるんだ。ほっとけるわけないよ。」
そう言いながら私の手を離すと、渡辺くんは紙袋から薔薇を取り出して差し出す。
「失恋したばかりなのにごめんな。
泣いてる時にこんなこと言うのずるいと思うけど、
俺は吉岡のことが好きです。
俺と付き合ってください。」
まっすぐ見つめられる。
渡辺くんが私のこと好きって…
嘘じゃないよね?!
また涙が溢れ出してきた。
「泣くなよ〜。ほら、ハンカチ。」
そう言って私の顔をハンカチで拭いてくれる渡辺くん。
「その涙はごめんってこと?」
ははっと笑いながら言うけど、眉をしかめて傷ついたような笑顔。
早く違うって言わなきゃ!