甘い脅迫生活



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「「……。」」



キスの後は、いつも気まずい気持ちになる。


小鳥のように啄むキスも、抱き合って深めるキスも、こうして、優雨の腕に包まれてするキスも。


確かにその時は夢中なのに、気が付いた時には頭の中は普段以上に冷静になる。



至近距離で私を見つめる色素の薄い目に移りこむ自分。それだけで、私と優雨の距離の近さが分かる。優雨のサラサラの髪は部屋の明かりでさえ太陽光に照らされたように神々しく見えた。


緩んだ目元。嬉しそうに上がっている口元。熱い指先。


全身で私を抱き寄せる優雨の固い胸に触れている手に、強く刻む鼓動が主張する。



この人が私に恋をしている。それはとても奇跡的で、凄いこと。



だから。


「優雨。」

「ん?」


私は、思うの。


「優雨の大切な人は、誰ですか?」

「美織。」


即答に苦笑してしまう。だけど、私が聞きたいのは、そうじゃない。



「違います。私以外で、大切な人。」

「……それは、難しいな。」



パーティーで優雨を見ていて私が感じたことは、決して間違ってはいないはず。




優雨は噂通り、誰もが恐れて、誰もがこびへつらう、絶対的な王様だった。


パーティーに出席している人の大半が、優雨に少しでも近付きたいと主張していた。




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