甘い脅迫生活
『なんだって?間違い?』
『そうなんすよ。このガキは違うらしくて。』
『馬鹿なんじゃねえのか!?じゃあこのガキ、どうすんだよ?』
『まぁ、殺すっしかないっすよね。』
『っっ、』
夢の中、2人組の男たちを前に、ちょこんと座っているのは私。
正確に言えば、昔の、私。
あー、子供の頃は少しボーイッシュだったなー、なんて思いながら、キョトン顔を男たちに晒す幼い自分を見つめる。
『でもこの子も、社長の娘らしいっすよ。』
『馬鹿野郎。当初の目的の家は金持ちの中でも最上級だ。こんな小物攫ったところで大儲けとは言わねえよ。』
『まぁ、それもそうっすね。』
男たちの表情は、子供ながらに酷く残忍に見えた。状況も把握していた。運の悪いことにそこまで子供じゃなかったの。
それなのに、私は。
全然怖くなんてなかった。
『しゃーねぇ。殺すか。』
そう言った男が出した光る物。小さな私は、それが自分の身体に刺さるのを、ただただ見つめていた。
「っっ、」
激痛で目が覚めた。痛むのは古傷。
懐かしい夢を見たな。溜息を吐いて汗をぬぐう。