暴走族の姫 Ⅰ
藍羅「全く無理しすぎよ。



顔の殴られた後は数週間で治るけど、今の蘭は心の傷が体にも影響を及ばしている。


つまり、心の方をまずどうにかしないとこの体調不良は良くならない。



心の方の怪我を直すのはあなたが適任じゃないの?



’’沙羅’’。」









お前仲良かっただろうと、藍羅さんが俺の肩を叩いた。








任せるぞと言ったように。










藍羅さんは、少なからず怒っているようだった。









しゃべり方も立ち振舞いも。










これは怒っている。










何に対してなのか。









俺達が無意識とはいえ、蘭のことをほおっておいたことだろうか?









それとも、蘭が俺たちになにも話さなかったからだろうか?









それを見透かしたように藍羅さんは、どっちもよと言った。









本当にこの人には叶わない。









それから、蘭に点滴を打って薬を置いて、藍羅さんは、帰っていった。








解熱剤と安定剤だった。









薬袋の中にはメモも入っていて、体温が38度を超したら








使用するとうにと書いてあった。









そして始めてみる安定剤、これの使用説明は解熱剤の説明の2倍程書いてあった。








その中には、暴れてどうしようもなかったら使用すること等、量制限はきっちり守ることなど他にも記載してあった。








こんなものを渡されるほど蘭の容態はよくないのか。









多分優喜も麗もこのメモを見て同じことを思ったに違いない。










蘭の心を…。








救いたい。仲間だから。








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