バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「すぐに桜井様との打ち合わせを始めろ。まずはプランニングシートを記入してもらって挙式のイメージを簡単に固めるんだ。奥様は今日は都合がつかないので、後日改めてみえるらしい」
「なぜですか?」
いろいろと突き抜けすぎて平淡になってしまった口調で、私はそれだけを言った。
噛み合っているようで実はまるで噛み合っていない、この短い会話に含まれている複雑な疑問を、目の前のこの人は果たして理解しているのだろうか。
瞬くことも忘れて副社長を見据える私に対し、彼も動じることもなく見返してくる。
見惚れるほど端整な彼の顔が、まるで血の通っていない人形のように見えたのは初めてだ。
「俺も一応、この業界では顔が利くからな。彼を探し出すのは簡単だった」
ひとつの疑問に対し、副社長は静かにそう答えた。
世に結婚式を挙げるカップルは多々あれど、挙式の前日にキャンセルする人はそういない。
近隣の式場すべてに問い合わせれば、ブライダル業界の王子である彼が知りたい情報なんて、簡単に手に入ったろう。
「昨日のうちに桜井様に連絡をつけて、俺が頼んだ。あなた方の挙式をどうか亜寿佳に任せて……」
「嫌です」
副社長がまだ言い終わらないうちに、きっぱりと断言した。
「なぜですか?」
いろいろと突き抜けすぎて平淡になってしまった口調で、私はそれだけを言った。
噛み合っているようで実はまるで噛み合っていない、この短い会話に含まれている複雑な疑問を、目の前のこの人は果たして理解しているのだろうか。
瞬くことも忘れて副社長を見据える私に対し、彼も動じることもなく見返してくる。
見惚れるほど端整な彼の顔が、まるで血の通っていない人形のように見えたのは初めてだ。
「俺も一応、この業界では顔が利くからな。彼を探し出すのは簡単だった」
ひとつの疑問に対し、副社長は静かにそう答えた。
世に結婚式を挙げるカップルは多々あれど、挙式の前日にキャンセルする人はそういない。
近隣の式場すべてに問い合わせれば、ブライダル業界の王子である彼が知りたい情報なんて、簡単に手に入ったろう。
「昨日のうちに桜井様に連絡をつけて、俺が頼んだ。あなた方の挙式をどうか亜寿佳に任せて……」
「嫌です」
副社長がまだ言い終わらないうちに、きっぱりと断言した。