バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
 いったい彼はなにを考えて、こんな非常識なことを言ってるの?

 もしかしたらこれは、私が彼の気持ちを拒否したことへの腹いせ?

 あなたは私が自分の思い通りにならないと知った途端に、こんな仕打ちをするような人だったの?

 たとえそうだったとしても、そんなことはどうでもいい。なんでもいい。とにかく私の意思は、ひとつだ。

「嫌です。絶対に嫌です。絶対にお断りします」

 腹の底から響くような低い声で、私は拒絶の言葉を繰り返した。

 命令違反と非難されようが、貴明たちの式にだけは絶対に関わるものか。

 それが許されるだけの正当な理由と権利が、私にはある。

 怒りに肩を震わせながら、目を吊り上げて睨む私の視線を真っ向から受け止め、副社長がゆっくりと私に近寄って来た。

「やはりそうか。俺が思った通りだな」

「なにがですか?」

「お前は決して、ブライダルコーディネーターにはなれないってことだ」

 真正面に立った副社長が平然と言い放った言葉に、私の心は猫の毛のように激しく逆立った。

 私がブライダルコーディネーターになれないって、今度はどんな言い掛かり!?
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