バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「こちらがフィアンセ様でいらっしゃいますね?」
副社長が、彼女の隣に立っている中肉中背で三十歳そこそこくらいの地味な男性に声をかけて、名刺交換をしている。
このおとなしそうな人、フィアンセだったのか。大宮様があんまりゴージャスすぎるせいで影が薄くて、てっきり付き人さんかと思った。
「これ、持ってて」
大宮様が、自分のカーディガンとバッグを有無を言わさずフィアンセさんに押しつける。
「名取さん、ちょっと見て回ってもいいわよね?」
腕を組み、背筋を伸ばし、まるで女王陛下のような堂々たる態度で彼女が歩き出した。
名刺入れを胸ポケットに入れた副社長が慌ててその後を追う。
「大宮様。お式のご相談でしたら別室でゆっくりと……」
「あら、勘違いしないで。まだここで式を挙げると決めたわけじゃないわ。私のお眼鏡にかなう場所かどうか、チェックしに来ただけよ」
その言葉通り、品定めをする目つきで彼女があちこちを見回している。
カツカツとヒールを鳴らし、我が物顔でサロン内を歩き回るその姿に、他のお客様方がザワザワと困惑し始めた。
これは、まずいかも。どうすればいいかわからないけど、じっとしてはいられない。
副社長が、彼女の隣に立っている中肉中背で三十歳そこそこくらいの地味な男性に声をかけて、名刺交換をしている。
このおとなしそうな人、フィアンセだったのか。大宮様があんまりゴージャスすぎるせいで影が薄くて、てっきり付き人さんかと思った。
「これ、持ってて」
大宮様が、自分のカーディガンとバッグを有無を言わさずフィアンセさんに押しつける。
「名取さん、ちょっと見て回ってもいいわよね?」
腕を組み、背筋を伸ばし、まるで女王陛下のような堂々たる態度で彼女が歩き出した。
名刺入れを胸ポケットに入れた副社長が慌ててその後を追う。
「大宮様。お式のご相談でしたら別室でゆっくりと……」
「あら、勘違いしないで。まだここで式を挙げると決めたわけじゃないわ。私のお眼鏡にかなう場所かどうか、チェックしに来ただけよ」
その言葉通り、品定めをする目つきで彼女があちこちを見回している。
カツカツとヒールを鳴らし、我が物顔でサロン内を歩き回るその姿に、他のお客様方がザワザワと困惑し始めた。
これは、まずいかも。どうすればいいかわからないけど、じっとしてはいられない。