バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
深々と頭を下げて沈黙を貫く私に、彼女は少しつまらなそうにフンッと鼻から息を漏らした。
「まあ、いいわ。それよりあなたはどう思う?」
「は? どう、と申しますと?」
「ここのセンスよ。私から見ればインテリアは地味だし、ブーケは出来が悪いし、CMのエンドレス放映は押しつけがましくて嫌気がさすけど。あなた方スタッフは、これを本気で素晴らしいと信じているの?」
両腕を大きく広げながらサロン内をグルッと見回し、大宮様が私を問い詰める。
「正直なところを聞かせて。それとも、そんな風に感じる私のセンスの方に問題があるのかしら? ぜひアドバイスをいただきたいわ」
「……それは、お客様の好みはそれぞれですので」
仮にもお客様の嗜好に対して異は唱えられない。だからと言って、他のお客様方の前でボヌシャンスを否定するようなことも言えない。
当たり障りのない言葉でなんとかやり過ごそうとする私に、大宮様が食い下がってくる。
「あら、ここのスタッフって、言いにくいことにはそういう逃げ腰な態度なの? ちゃんと本音を言ってくれない相手になんか、大事な挙式はとても任せられないわ」
大宮様は、聞えよがしな大声を出した。
なんとしても衆人の前で、スタッフである私の口から、ボヌシャンスに対する否定的な発言を引っ張り出したいらしい。
サロン中が静まり返り、みんなが私に注目している。
どうしよう。こんな毒ヘビみたいにしつこい人相手に、どう切り抜ければいいの?
「まあ、いいわ。それよりあなたはどう思う?」
「は? どう、と申しますと?」
「ここのセンスよ。私から見ればインテリアは地味だし、ブーケは出来が悪いし、CMのエンドレス放映は押しつけがましくて嫌気がさすけど。あなた方スタッフは、これを本気で素晴らしいと信じているの?」
両腕を大きく広げながらサロン内をグルッと見回し、大宮様が私を問い詰める。
「正直なところを聞かせて。それとも、そんな風に感じる私のセンスの方に問題があるのかしら? ぜひアドバイスをいただきたいわ」
「……それは、お客様の好みはそれぞれですので」
仮にもお客様の嗜好に対して異は唱えられない。だからと言って、他のお客様方の前でボヌシャンスを否定するようなことも言えない。
当たり障りのない言葉でなんとかやり過ごそうとする私に、大宮様が食い下がってくる。
「あら、ここのスタッフって、言いにくいことにはそういう逃げ腰な態度なの? ちゃんと本音を言ってくれない相手になんか、大事な挙式はとても任せられないわ」
大宮様は、聞えよがしな大声を出した。
なんとしても衆人の前で、スタッフである私の口から、ボヌシャンスに対する否定的な発言を引っ張り出したいらしい。
サロン中が静まり返り、みんなが私に注目している。
どうしよう。こんな毒ヘビみたいにしつこい人相手に、どう切り抜ければいいの?