バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「もちろんご満足いただける演出をちゃんとご用意しますとも。お望みは空中ブランコですか? 瞬間移動? 人体切断イリュージョン? よろしければプリンセス天功氏をお呼びしますが?」

 副社長の言葉に、私は思わずプッと噴き出してしまった。

 どれもこれも派手好きなミス・ゴージャスにぴったりのご提案だわ。

 ウェディングドレス姿の大宮様が、プリンセス天功と並んでスポットライトを浴びながら、ビシッとポーズを決めてるシーンが脳裏に浮かぶ。

「それ、私のことバカにしてる? お客に対してすごく無礼よ!」

 大宮様の柳眉がみるみる吊り上がった。

 そして同意を求めるように、「ねえ!?」と言いながらお客様方の方を見たけれど、誰ひとりとして彼女に共感する人はいなかった。

 フィアンセさんですら、嫌気がさした表情で顔を背けている始末。

 それも当然だ。だって彼女の態度の方が、百万倍は無礼なんだもの。

「……やっぱり私、ここでお式を挙げるのはやめる」

 孤立無援の大宮様が、お猿のお尻のような真っ赤な顔で副社長を鋭く睨みつけた。

「名取さんとのデート、本当につまらなかったわ。顔がいいから何度か付き合ってあげたけど、あなたは女心がまったく理解できてないのよ」
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