バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
途端に私の胸がキュッと苦しくなって、反射的に手の中の巻貝を強く握りしめる。
無機質なはずの貝の置物の中に、たしかな温もりを感じた気がした。
「さあ、飾りつけを済ませてしまおう」
そう言って作業を再開した副社長の背中を見つめる私は、自分の中に生まれ始めた静かな高揚に戸惑っている。
この、かすかな息苦しさと不思議に心地良い疼き。何度か経験したことのある、この気持ちは……。
「…………」
私は唇を強く引き結んで、クルリと後ろを向く。そしてわざと副社長とは反対側の壁際に行って装飾を始めた。
だ、ダメダメ! 私はもう二度と恋なんかしないんだ!
もう二度と傷つけられるものかって、あのとき泣きながら決心したんだから!
そう強く自分に言い聞かせながらテーブルの上に巻貝を置こうとしたけれど、どうしてか、この貝を手放す気になれない。
何度も逡巡したあげく、やっとテーブルに置いて、それから自分の気持ちを振り切るように私は別の場所の飾りつけを始めた。
無機質なはずの貝の置物の中に、たしかな温もりを感じた気がした。
「さあ、飾りつけを済ませてしまおう」
そう言って作業を再開した副社長の背中を見つめる私は、自分の中に生まれ始めた静かな高揚に戸惑っている。
この、かすかな息苦しさと不思議に心地良い疼き。何度か経験したことのある、この気持ちは……。
「…………」
私は唇を強く引き結んで、クルリと後ろを向く。そしてわざと副社長とは反対側の壁際に行って装飾を始めた。
だ、ダメダメ! 私はもう二度と恋なんかしないんだ!
もう二度と傷つけられるものかって、あのとき泣きながら決心したんだから!
そう強く自分に言い聞かせながらテーブルの上に巻貝を置こうとしたけれど、どうしてか、この貝を手放す気になれない。
何度も逡巡したあげく、やっとテーブルに置いて、それから自分の気持ちを振り切るように私は別の場所の飾りつけを始めた。