バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
のけ反った女性が、そのままバランスを崩して床の上にドサリと倒れる。
私は真っ青になっている花嫁様を無我夢中で抱き寄せ、ガクガク震える足で後ずさりながら叫んだ。
「こ、この人、誰なんですか!?」
花嫁様はすっかり怯えてしまっているのか、口も利けないようだった。私も今にも腰が抜けそうになりながら、必死に考える。
とにかく一刻も早くここから逃げた方がいい。もしかしたら刃物を隠し持っているかもしれない。そうなったら命にかかわる大惨事になってしまう。
「ここから逃げましょう! 今すぐ!」
私が叫ぶと同時に、床に倒れて身じろぎしていた女性が勢いよく立ち上がり、片手を素早く頭上に振り上げた。
恐怖のあまり立ちすくむ私の目に、女性の右手が握りしめている物が映る。
あれは……!
女性の手が振り下ろされるのと、私が両腕を思い切り広げながら花嫁様の前に立ちはだかるのと、同時だった。
次の瞬間、女性の手から飛んだ大量の液体が私の胸全体をビシャリと濡らし、恐れとショックで息が詰まる。
震えながら自分の胸もとを見下ろすと、肩のあたりから腰までが目に突き刺さるような鮮烈な赤色に染まっていて、私はヘナヘナとその場に座り込んでしまった。
私は真っ青になっている花嫁様を無我夢中で抱き寄せ、ガクガク震える足で後ずさりながら叫んだ。
「こ、この人、誰なんですか!?」
花嫁様はすっかり怯えてしまっているのか、口も利けないようだった。私も今にも腰が抜けそうになりながら、必死に考える。
とにかく一刻も早くここから逃げた方がいい。もしかしたら刃物を隠し持っているかもしれない。そうなったら命にかかわる大惨事になってしまう。
「ここから逃げましょう! 今すぐ!」
私が叫ぶと同時に、床に倒れて身じろぎしていた女性が勢いよく立ち上がり、片手を素早く頭上に振り上げた。
恐怖のあまり立ちすくむ私の目に、女性の右手が握りしめている物が映る。
あれは……!
女性の手が振り下ろされるのと、私が両腕を思い切り広げながら花嫁様の前に立ちはだかるのと、同時だった。
次の瞬間、女性の手から飛んだ大量の液体が私の胸全体をビシャリと濡らし、恐れとショックで息が詰まる。
震えながら自分の胸もとを見下ろすと、肩のあたりから腰までが目に突き刺さるような鮮烈な赤色に染まっていて、私はヘナヘナとその場に座り込んでしまった。