目は口ほどにものをいう

ベンチに並んで座り、缶コーヒーをのむ。
「なぁ、ゆかり。」
「なんですか?」
不思議そうに聞いてくる。
「なんで別れようと思ったんだ?」
ゆかりが困った顔をする。
「怒りませんか?」
怒るような内容なのか。
浮気したとか??他のやつに言い寄られたとか?
考えるだけでイライラするけど、とりあえずがまん。
「怒らない。2度と別れたくないから。ちゃんと知りたい。」

ゆかりはふっと、一息つくと、恥ずかしそうに話始めた。
「私、課長はまほさんが好きだと思ってたんです。」
は?!
「まほ?」
予想外の言葉に唖然とする。
「課長、自分では気付いてないかもしれないですが、まほさんと話すとき、たまにすごく愛しそうな目してるんですよ。」

それは……ゆかりの話をしてるから。

「それに、私に対してはずっと感情見せてくれなかったじゃないですか。だから、気持ちも見せれない相手なのかなって。」

それは、そうしないと好きの気持ちが溢れるから。

「私は、まほさんの代わりなのかな、とか。気持ちを見せれないほど私に対して嫌な気持ち持ってるのかな、とか。どんどん悪い方に考えてしまって。先がないなら、気持ちが大きくなりすぎる前に別れようって。勘違いで振り回してしまって、すみませんでした。」
困ったように笑う。

ゆかりは俺を想ってくれてたのに。不安にさせてしまっていたことに申し訳ない気持ちになる。

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