私たちは大人になった

再会は同窓会、なんていうのはよくあるパターンだと思う。
それでも県外に出ていた優は来ないだろうと踏んで、高3の頃のクラスに特別な思い入れは特にはなかったけれど、入社したての会社での息苦しさから解放されたい気持ちで、軽い羽伸ばしのつもりで参加した。
その軽い気持ちで参加した同窓会に、優はいた。
ゴールデンウィークみたいな長期休暇には旅行じゃなくて実家に帰ってくるのこともあるのか、なんて実家暮らしを満喫している私は本当に失念していて、優に片手を上げられて、数秒、固まった。

いたって普通の態度の優に、すぐにハッとして挨拶を返して、空いていた優とは少し離れた席に座った。
高校卒業後の初めての同窓会で、尚且つみんな成人を迎えているとあって参加率は非常によく、そして皆饒舌だ。
わいわいと賑やかしく時間が流れていく。
新社会人1年目のゴールデンウィーク。
働きぶりはどうあれ、学校ではなく会社に行くのにも慣れてきた頃合いで、久々の再会での話題はやはりそれが中心だった。
昔話に花を咲かせつつ、仕事の自慢やら愚痴が飛び交う。
皆が必死なんだと思えば、一人ではない気持ちになって少し肩の力が抜けた。

いつの間にか席は入れ替わり立ち替わり、気づけば私の横には優がいた。

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