颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)

もう、祐理恵さんの言葉は頭にはいってこなかった。
その代わり私の頭の中で桐生颯悟は美人秘書を……。


「んもう、聞いてんの、ずんだ娘!」
「聞いてますけど、聞こえません」
「飲みなさいよ。こういうときは飲むのっ!」


ドン。テーブルに差し出された一升瓶が癒やしの友に見えてきた。



*―*―*

ばあやさんの手料理は和食だった。田舎のおばあちゃんちに泊まりに行ったときに出されたご馳走に似ている。ちらし寿司、ほうれん草のゴマ和え、きんぴらゴボウ、蓮の酢の物。

それをいただきながら、祐理恵さんと一升瓶を注ぎ合った。


こんなときは飲んでも酔えないもので。

先に潰れた祐理恵さんは私のベッドでいびきをかいていて。
ばあばさんにもとなりのベッドで休んでもらって。

私はひとり深夜のリビングで、ソファにもたれてぼんやりとしていた。

なんとはなしにテレビをつける。

どこぞやで雨が降り続いてるらしい。一時間に80ミリの豪雨?
大丈夫かな、颯悟さん。颯悟さんのところ降ってないといいな。

いや、別に。
降ってたって、部屋の中でやりたいことやってるなら、関係ないじゃん。

桐生颯悟の、バカ。



*―*―*
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